あくまでも昭和40年生まれの男性が対象のサブカルチャー雑誌「昭和40年男」。5月11日発売号の特集は「オカルトブーム再検証」。表紙は「ノストラダムス」「ユリ・ゲラー」「モアイ」「ピラミッド」等々、です。今でも本屋での立ち読み率が高い雑誌は「学研 ムー」です。分かる奴だけ、分かればいい。
第二特集の昭和59年再検証は、「そして僕は途方に暮れる」「マハラジャ」「パープルレイン」「SONY D-50」等、です。
昭和40年男 Vol.37|定期刊行誌|株式会社クレタパブリッシング
[特集]オカルトブーム再検証/『ノストラダムスの大予言』が発売されたのは1973年、昭和40年男たちが8歳の時のことだ。人類滅亡の予言は社会現象化し、新聞もテレビも、老いも若きも、男も女も、この終末思想に取り憑かれた。思えば、暗い世相であった。各地で公害病が政治問題化し、新左翼組織によるテロ活動も激化、三島由紀夫と川端康成の自殺、第一次オイルショック…と挙げていけばきりがない。子供時分の昭和40年男にはわからないことばかりだったが、大人たちが難しい顔をしていたのは覚えている。言い知れぬ不安が社会全体に満ち満ちていた。そんな時にひょっこり現れたこの終末思想は、直後の映画『日本沈没』と合わさって、ひとつのうねりを生み出していく。オカルトブームの到来であった。このムーブメントを小学校低学年から中学生という、最も多感で、なんの免疫もない時期に、浴びるように体験したのが昭和40年男であった。その人間形成に影響がないわけがない。今回は、まるで人々の心の闇をつくようにして世を席巻したオカルトブームに焦点を当て、そこで何が起こっていたのか、どんな影響を受けてきたのかを浮き彫りにしていきたい。